2018年3月17日土曜日

教え方セミナー開催報告


日時 平成30年3月16日 18時~20時30分
場所 根室市成央小学校
参加 3名(参加2名、講師1名)
内容 第1講座 始業式を迎えるまでにやっておきたいこと
   第2講座 新学習指導要領に対応!誰もが安心できる英会話の授業
   第3講座 テストはこう選ぶ!子どもたちに優しく教師にも優しい教材選択法
   第4講座 教室における特別支援を要するであろうお子さんへの対応
   第5講座 かゆいところに手が届く!QA       

 普段のサークル内容にほんの少し、新年度を意識した内容を盛り込んだ。
 第1講座は、雑誌などの論文をもとに話を進めた。
一時一事の原則から始まる。
論文に気づいたこと等に線を引いた際、優先順に番号を降らせる。
Y先生が「教師の決断なき・・・」の部分を第1とした。その理由を問う。
第2、第3と聞いていき、自然と論文が言いたいことをその一人が話すことになる。
実はこれ、授業で私がよく使う手法である。
メインは国語であるが、社会で使うことも多い。
それを伝えると、「なるほど!」の声。
教材研究が間に合わなくても授業の骨格さえあれば何とかなるものである。
語り、ルール、教室に置きたいもの、当番活動について論文をもとにかいつまんで大切なことを話していく。その中で当番活動にスポットをあてて、話をした。
当番活動を子どもたちの規範意識をつくる活動として考えるとという視点である。
当番のさせ方には色々ある。
一般的な方法(班)と私の方法(個人)を比較して話を進める。
丁度、私の方法に、小野論文の「もう一歩の突っ込み」を展開すると
「そうだったんですね」「確かにさぼる子がいなくなりますね」
と感想をいただけた。
もう一歩の突っ込みは、私の経験上、そこまでさぼる子はいなかったので借り物にはなったが、参考になってよかった。

第2講座の英会話は、T先生は授業を用意してきた。
その意気込みやよし!確実に伸びている証拠だ。視点もよかった。
ただし、圧倒的な教材研究不足!というよりも教室全体を知らない独りよがり的な授業となっていた。英語を専門にしている先生でありがちな「とにかく、英語をしゃべって進む」というものである。
開始早々、私たちに「?」が立つ。
Y先生に「最初、どう授業を展開する?」と問う。
Y先生はスラスラと出てきた。やれる?と聞くがそれは無理ということだった。
でもすっきりしていた流れだった。
交流で入っている先生の授業の流れがそうだという。
いい先生の授業を吸収している証拠だ。
私が代案を示す。
「そうやればよかったんですね」「青木先生のほうがわかりやすいです。」と感想をいただけた。そして私が講座で体験してもらおうと思っていたサイトで授業を私もしてみた。
それに対してT先生は「外国語活動で大切なのは『反復』と『単純化』であることがわかった」と感想を書いていた。この感想は、自分で教材研究し、模擬授業をするという汗を流したからこそ出てきた言葉だろう。

第3講座は、国語と算数のテストの選択法に絞ってみた。
算数のテストの教材の視点を問う。
Y先生は「フォーカステストは今年やってみて本当に良かったです」という。つまり、特別支援を要する子どもたちに本当に学力を図れるという視点をもって選ぶということである。
T先生は、「解きやすいもの、色んな余計な情報がないもの」という視点を持つという。
そこで、私が一つの視点を示した。

第4学年の割り算の筆算の個所を、会社を伏せて提示した。
T先生は「これだめ!見ずらいです」「これにマスがまだあればいいんですが」と言って、テストを選んだ。筆算にマスがきれいについたテストを選択。会社を本物のテストで見てもらう。S社であった。テストの見本を次々と見ていくと、「やっぱりこの会社は難しいですね」「コンパス、分度器はこの単元テストをするならいらない情報ですよね」はと言いながら、他の会社のテストを選択できない理由を話していく。
 国語のテストでは、教材文だけをまずは読んでもらった。
 その後、1問目だけを印刷したものを提示し、解いてもらった。
「テストの第1問目からつまづいたら、やる気ゼロになっちゃうんだよね。だから、第1問目は解きやすいものが子どもたちは『今日のテストはいけるぞ!』とやる気が出てくると思うんだよね。それに視点を置いたら、どれを選ぶ?」
 いくつか候補が出る。マスがあると、できない子どもたちの助けになってやっぱりいいですよねと感想が出てくる中、最終問題を印刷したものを渡す。
「これ、絶対にこたえられないじゃないですか!」「内面を聞いてもわからなかったらどうなるんですか?」という中、答えの例を私が言って、〇です。×です。微妙だけど〇でいいかな?と判定をしてもらった。
「こんなことを採点するとき、やってたら大変じゃない?しかも30人分。それに隣のクラスと甘いだとか辛いとか採点方法が違ってもやだよね。」
すると、「子ども同士でもきっともめますよね」とT先生が言う。いい観点だ。
 1問目と合わせて選ぶとしたらどの会社?と問うとS社となった。
 私は視点を与えただけである。

 第4講座は、特別支援にスポットを当ててみた。
 ワークシートを元にNG対応、OK対応を学んでいく。解説もつけてあるので、答えを探すことも可能なのだが、一番はその解説がクラスのある子を想像しやすいということだ。
「あーだからだ」「わかります、これ」と答えを考えるけれども、子どもの姿が目に浮かび、自分のことのように考えられる。T先生は、下妻論文と小嶋論文を読み合わせた。「暗中模索でやってきたことが、ある程度認められることでよかった」という感想を書いた。ここで大切なことは「ある程度」としたところだ。まだまだ、自分の実践を「よし!」とはせずに上を向いている。言葉は体を表す。その心構えがあれば、まだまだ伸びる!今が伸び時だと感じた。
 第5講座はQAだが、どの講座においても質問を聞いてきたのでなくし、私が10年前に特別支援学級での最後の授業を再現してみた。T先生も卒業生を担任する。最後の語りをどうするのか?すでに、思いがあったようでどこで伝えるのかを迷っているようだった。楽しみである。